丹念に描かれた電子音楽の設計図から拡がる耽美な世界観とイマジナリーなサウンド。
長きにわたり音色にこだわり続けるシンセサイザー・クラフツマン松武秀樹の矜持が詰まった一音入魂のLogic System ニュー・アルバムが完成!
あみ出してきた音作りの“術”の数々と磨き上げたプログラミングの妙が唯一無二の「TECHNASMA=トリック」を作り上げた。
ボーナス・トラックとして、坂本龍一氏との即興演奏曲が待望の初CD収録!!!

01. Overture
02. Crisis
03. Time Seeds
04. Mondrian’s Square
05. Closing // Glassworks | Philip Glass
06. Golden Ratio
07. Aqua Aura
08. 妖踊
09. Contact
10. Revive

Bonus Track for CD
11. Silence Is Betrayal | Ryuichi Sakamoto, Hideki Matsutake

MIDIオルゴール「CANADEON PW40」の妖艶な音色とストリングス系のシンセパッド、時を刻みながらずれていく秒針などが交差しながら異世界の出現を告げる「Overture」。
5人のマリンバ奏者が奏でているかのような瑞々しくも躍動的なリフとポリリズムによる催眠的ループ、そして高らかに鳴り響くブラスシンセを始まりの合図として刻まれる祝祭的ビートがどこまでも心地良い、ミニマル・ミュージックの極致「Crisis」。
「Time Seeds」では走馬灯のように反復する2コードのミニマル・シーケンスと記憶を刺激する深いリバーブのピアノによって種の起源へと時空間を遡りまた戻って行くような浮遊感が全編を覆う。
オランダの画家ピエト・モンドリアンの作品「ブロードウェイ・ブギウギ」にインスパイアされて山口美央子が作曲した「Mondrian’s Square」は幾何学的でキャッチ―なサウンドとゲームの世界が交じり合ったようなユーモラスさが特徴的であり、アナログ・シンセの電圧制御術を施した渾身の「口笛」が彩りを添えている。
Philip Glass「Closing」のカバーは、ひずんだドラムに覆いかぶさるシンセ・ベース、中毒性の高いピアノ・メロなどが合わさって緊張感を保ちながらラストのオーケストラ・ヒットまで疾走していく。
違う星から地球へ降り立ったかのような荘厳な雰囲気で幕を開け、鳥の疑似音声やジャングルから聞こえるパーカッションが鳴り響き、民族音楽のようなリズムで展開していく「Golden Ratio」。中盤からはアコースティックなメロディと空気感で、自然の大らかさに包まれるような癒しの感覚へ。
金属的な音色と空間シンセによって水晶窟にいるかのような雰囲気を醸成しながら、ピアノの音と共に幻想的できらめく水中をゆっくりと進んでいくアンビエントな「Aqua Aura」。
ダンサブルという意味において、1stアルバム『Logic』収録の「Domino Dance」の系譜に位置づけられた「妖踊」は、日本のお祭りを想起させる曲調と高揚するリズム、ディストーション・ギターのようなエフェクトなどによって妖しいトリップへと誘われる。
宇宙と地球を舞台にした、姿の見えない存在からの「Contact」では、疑似音声と交信音、生命の鼓動を鳴らすキック、神々しく差し込む一筋の光など、松武の真骨頂である効果音が印象的に配置されている。
本編最後を飾るのは幾重にも重ねられたストリングスと中盤の転調による盛り上がりが印象的な「Revive」。松武の原点にあるシーケンスに改めて向き合い、再生への願いを込めた哀愁漂う1曲。

Moog Ⅲc、EMS VCS 3、Prophet-5、ROLAND TR-808といった松武の代名詞とも言えるアナログ・シンセやリズマシンとSequential Pro 3、ソフト・シンセ「Omnisphere 2」などの最新テクノロジーを駆使しながら、シーケンスと音色に新たな息吹を吹き込み、今の時代にそれぞれをアップデートさせた温故知新の産物『TECHNASMA』。
アナログ、デジタル、サンプリングの融合。実験的な音作りが生み出す不穏な空気とメロディアスなサウンドの共存。シンセサイザーへの飽くなき探求心と無限の好奇心、そして真摯な愛情によって、松武秀樹が描く設計図がまた令和に1枚完成した。

<ボーナス・トラック: Silence Is Betrayal | 坂本龍一, 松武秀樹>
2014年1月にNHK Eテレで放送された『schola 坂本龍一 音楽の学校』でのスタジオ・ライブ音源。
坂本龍一がEMS Synthi AKS、松武はMoog IIIcという、2台のシンセのみで繰り広げられた即興演奏が待望の初CD化。